二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

二

　だが、下手な演技がかえって相手を心配させたようで

「何だか無理してるみたいですねえ……ああ、お風邪でも？」

「コ、コホン。じ、実はそうでんねん。さすが姐さんや、ようわかりましたな」

「あ、やっぱり！　じゃ、この冷奴特製の卵酒でもお作りしましょうか？」

　この『酒』という言葉に反応した男

「あ、それには及びませんわ！　直に治りますよって！」

「さいですか」

　怪訝な表情の姐さん、頭を下げ

「じゃ、失礼しますね。お大事に！」