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四十五

「じゃあ、鷹寄せの術でつ」


 一言だけつぶやいた緑丸、そして逃げだした。


「おいこら! 待たんかい!」


 だが緑丸、なりふり構わず逃げる逃げる。


「時間稼ぎしたって無駄だぞ!」


「べーでつ!」


 しかし相手は四人。そしてとうとう


「ほれ、囲んだった!」


「クソッでつ」


 この時、四人の口々から


「え?」

「な、何だ?」

「じ、地響き?」

「迫ってる?」


 無論この原因は――唸りを上げながら、みるみる爆走してくるふんどし一丁の親父だった。


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