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三十七

「あ、あれれ?」


 ここでハットリ様が、傍にあった箱の中を見せてき


「この沢山の針のことじゃろ? おまえさんが気絶している間にな、その体を検めさせてもろうたわ」


「え? い、いやだあ。人格者のくせしてえ」


「頬を染めるな! 頬を!」


「だ、だってえ、もうお嫁に……」


「おぬし、血統書付きのお馬鹿か? では、喋るまで飯はお預けじゃ!」




「ほっぺたが落ちそうでつ!」


 相手の目の前で、これまた旨そうに握り飯をほうばっている緑丸。


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