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三十六

 これに目を覚ました相手


「あいたたた……ん? 爺さん、誰よ?」


「じ、爺さんって言ったなあ? わしは、伊賀者を統帥しておるハットリ様じゃぞ!」


「お、あの人格者として有名な?」


「そ、そうでもないんじゃが」

 だが、機嫌が良くなったハットリ様が


「でな、鬼やんまの得意技を教えてくれやせんかのう?」


「このあたしに、仲間を裏切れって? フン。馬鹿も休み休みに言いなさいよ。こんな縄なんて……」

 

 威勢のよい揚羽さんだったが――


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