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七十九

「ちっ」


 思わず舌打ちした鉄蔵に


「でな? 孫一なる半次はんを憎むおまえやけんどな、実際に殺めたんは二十四日の欣三はんやわな?」


 これを聞き、つい隣を睨む男。だが、綾吉は首を左右に振るだけだ。


「ま、仲間割れは後にしとき……でな、お二人さん」

 こう言いながら破近、手にした紙の上に何やらスラスラとしたため


「これ見てみ」


『孫一(半次)を殺めたい鉄蔵→二十四日に欣三を殺めた』

『欣三を殺めたい綾吉→二十二日に吉二郎を殺めた』


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