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十一
破近、気にもかけず
「確かに宛名は孫一になってるけんど」
「何か?」
「ほれ!」
桜殿、再び手に戻ってきた文を眺め
「差出人の名がありまへんやろ?」
住まいはわかっても、未だ得体の知れぬ孫一。
同心たちの耳に新たな知らせが届いたのは、翌々日の事であった。
古より言い伝えのある、ここは二本松なる地。今そこに、知らせを聞いて馳せつけた同心たち。そして目の前では――町人風の男がこちらに背を見せ、松にもたれかかっている。
破近、気にもかけず
「確かに宛名は孫一になってるけんど」
「何か?」
「ほれ!」
桜殿、再び手に戻ってきた文を眺め
「差出人の名がありまへんやろ?」
住まいはわかっても、未だ得体の知れぬ孫一。
同心たちの耳に新たな知らせが届いたのは、翌々日の事であった。
古より言い伝えのある、ここは二本松なる地。今そこに、知らせを聞いて馳せつけた同心たち。そして目の前では――町人風の男がこちらに背を見せ、松にもたれかかっている。
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