二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

四

　歩きながらも思い悩んでる破近

「あの姿見たら、誰でも引くやろ？」

と、己を正当化した後

「今までどおり、うまく話が弾むやろか？」

　そんな暗い吟味方を番屋で待ち構えたのは――何と同心全員である。

　まずは代表した形で、明智様が

「お待ちしてましたよ、鈴木さん！」

　そして仲間を指しながら

「ここにいる松殿、桜殿、藤殿……それから、無論この私も含め」

　さらにデカイ声で

「あの、あの善次郎殺しの真の下手人を捕らえたんですよ！」