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四十三

 面々がざわつく中、黒豆奴さんが


「へえ! 貴方様が、噂のぽこんさんですかい!」


 これに姐さん、すかさず


「女将さん、ぱこんです!」


「似たようなもんじゃないか」


 それを聞いたご本人


「ま、ぱこんでもぽこんでもよろしいわ」

 そう笑いながら、周囲に


「これから一つ一つ状況をお聞きしますさかい、な?」


「だ、旦那。この場で下手人をあげるつもりで?」


 破近、こう尋ねてきた姐さんに


「その為に、わざわざ馬を走らせてきたんでっせ!」


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