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五十六

 ここでいきなり


「おい鈴木! ちっとは、おなごの気持ちも理解してあげんかい!」


「んもう、どんだけ酒癖が悪いんでっか! せっかく、吟味方として締めようとしてたんでっせ」


「何だってえ?」


 もはや、これ以上逆らうのは無駄と判断した破近。お静の手を取り、悟られぬよう少しずつ戸口へと歩んでいたのだが


「お静ちゃんよ!」


「は、はい?」


「この店の事は、この冷奴姐さんに任せてさ」

 そして


「きちんとお勤めを果してきなさいよ!」


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