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五十三
「……」
返事がかえってこないので、確信に変わった姐さん。
「この御方に包丁の刻印を見られる前にさ」
ここで立ち上がり
「自分の口から洗いざらい喋った方が、身のためじゃないかい?」
「……申し訳ございません」
蚊の鳴くような声で一言だけ発したお静、傍らの包丁を自身の喉に突きつけた。
だが、これに顔色一つ変えぬ姐さん、すぐさま相手を一喝し
「一体、どこまで甘えれば気が済むんだい! 伏せたままの父上は、どうなるのさ!」
「……」
返事がかえってこないので、確信に変わった姐さん。
「この御方に包丁の刻印を見られる前にさ」
ここで立ち上がり
「自分の口から洗いざらい喋った方が、身のためじゃないかい?」
「……申し訳ございません」
蚊の鳴くような声で一言だけ発したお静、傍らの包丁を自身の喉に突きつけた。
だが、これに顔色一つ変えぬ姐さん、すぐさま相手を一喝し
「一体、どこまで甘えれば気が済むんだい! 伏せたままの父上は、どうなるのさ!」
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