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四十五

「心中、じゃない?」


「そそ。れっきとした殺しですわ」

 この時、二、三度ばかし、聞こえてくる音の律動が少々ずれたような。


「にしても、この刺身って見事に切れてまんな!」


「お静ちゃんが捌いたんですよ。上手なものでしょ?」


 これに席を挟んで向かい側より


「スズキにてございます」


「あら! 旦那と同じ名ですねえ! とうとう捌かれちゃいましたか?」


「こら参ったわ!」

 おでこに手をやった鈴木さん


「裁く方が捌かれるとは、な!」


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