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四十三

「姐さんとこうやって差しつ差されつ、ホンマ夢みたいでんな!」


 これに姐さん


「じゃ、ギュっとな」


 いきなり思いっくそ頬をつねられた助平、涙しながら笑い


「お、おお! 夢ちゃうわ!」


「ホント、上方言葉でいうど阿呆さんですね。旦那って」

 そう言って徳利を手にし


「ささ、もう一杯どうぞ」


「あ、おおきに! ほな姐さんもクイッと!」


「いやですよ、そんなはしたない真似なんぞ」


 姐さん照れながら仰るも、大の酒好きとは周知の事実。


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