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四十一

「ホンマかいな! で、どんな感じの店?」


「とにかく出てくる料理が旨いのなんの、でして。まあ、強いて言うと」


「強いて言うと?」


「使用人が皆とも七十路半ばで、料理の出が遅いのなんの、ですな」


 一瞬、頭の中で想像した男


「そ、それって何かすごくね?」


 ここで申し訳なさそうに、多忙の主が


「あ、あのう、先に行ってもよろしいですか?」


「あ、どんぞどんぞ」


「で、二本目が奉行所近くの……」


「へっ?」


「居酒屋『庵』でして」


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