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三十九

「き、貴様、誰だ?」


 振り返った役人らに


「この髷見てわからへんのや。さすが田舎もんやな!」


「な、何だと?」


 ここに、お花が新参者を見て


「あ、同心様!」


 これに目を剥く役人たち。


「ど、ど、同心?」


「あ、違った。吟味与力になられたんですよね?」


「ぎ、ぎ、ぎ……」


 すでに勝負はついていた。


「あ、お花ちゃんやん! そか、一緒に旅してたんや!」


「あ、そうです」


 ここで、クルリと周囲を見回した破近


「なな、冷奴姐さんは?」


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