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十九

 その夜、自宅にて例の小刀を手にしている破近


「これなあ」


 そう呟きながら、己の手首に当てている。

 ちょうどその時


「破近様。晩御飯は鶏肉で……」

 だが、すぐに駆け寄ってき


「な、何を早まってまつ!」



「あはは、わいが自害するわけないやん! 今日の事件を検証してただけや」


 これに恐縮している少年


「申し訳ないでつ。僕はてっきり奥様のことが原因で、かと」


「お富ってか?」

 ご主人様、これには肩を落とし


「そら十分あり得るわな」


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