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第十九話 埋葬を終えて 一

「あいつだけは、許しやしない」


小さな行灯だけが灯っている薄暗い中、己の手元をずっと見ている一つの影。


「いや、やっぱり殺めるのは……」


まるで行灯の火如く、その心も揺れている。

そして、何気なくその方に目をやると――いろいろな想い出が、浮き上がっては消えてゆく。


その時、すきま風だろうか? 行灯は消されてしまった。

唯一の拠り所をなくした影、その心も徐々にではあるが暗闇に同化し――


「やっぱり、許しやしない!」


*アガサ・クリスティ「葬儀を終えて」への、ほんの1%のオマージュ


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