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四十六

「もうそろそろ、良い湯加減ですう」

 そう言いながらヤカンを手にした蕾、早速凍らされたままの不憫な男の上から


「それえ! 溶けてしまえー!」


 これを見ている緑丸、ボソッと


「普通、顔からいきまつか?」



 やがて懐辺りまで解凍されるや否や、そこに手をやっている蕾


「よいしょっと……あ、取り出せましたあ!」


 これに、上半身だけ無事に解凍された男がもがき


「や、やめんか! そ、それに触るな!」


 だが悲しきかな、動けるわけもない。

 

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