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三十五

 ここで、破近の口元に目をやる緑丸


「けんしょうきん」


「はい」

 そして、三たび琢郎に


「裏では、善次郎さんの首に懸賞金がかかってたんでつね?」


 そしてこれにも


「いいえ!」


 ここで破近、自画自賛


「でかい声ばっかりちゅうのは、問いが的を射てる証やな」


 そして口で示すのが面倒になったのか、手元の紙に何やら書き出している。

 そのご主人の意思に気づいた緑丸、直ちにそれを口にし


「名取屋さんも亘理屋さんも、裏稼業してまつね?」


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