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三十四

 さらに緑丸の問いは続き


「あなたは、善次郎さん殺しの下手人でつね?」


「いいえ」


 この時


「ヒュー!」


 思わず口笛を吹いた吟味方。


「それで、岩沼屋さんのご主人に頼まれて自首してきたんでつね?」


「いいえ!」


 ここで次に何を尋ねるべきかを確認するため、横を向いた緑丸。

 これに破近、口だけ動かし


「うらかぎょう」


「はいでつ」

 一つ頷いた少年、再び目の前の男に向かって


「岩沼屋さんは、裏稼業に手を出してまつね?」


「いいえ!」


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