1040/3502
五十九
「公事宿っちゅうと、やっぱ今度の遺言状との絡みでっか?」
「左様でございます。先に一人ここまで向かわせておりましたが、一向に戻ってはきませぬゆえ」
ここで叔母さんが
「それって、太郎兵衛さんのことです?」
「太郎兵衛?」
目を大きく開いた柿蔵、その視界に足元の仏まで入った。
「ちょ、ちょっとおたく! いきなり何するんです!」
だがこの叔母さんの声も届かぬ男、手荒に仏さんの左肩辺りの焦げた着物を剥ぎ取ったところ――
「公事宿っちゅうと、やっぱ今度の遺言状との絡みでっか?」
「左様でございます。先に一人ここまで向かわせておりましたが、一向に戻ってはきませぬゆえ」
ここで叔母さんが
「それって、太郎兵衛さんのことです?」
「太郎兵衛?」
目を大きく開いた柿蔵、その視界に足元の仏まで入った。
「ちょ、ちょっとおたく! いきなり何するんです!」
だがこの叔母さんの声も届かぬ男、手荒に仏さんの左肩辺りの焦げた着物を剥ぎ取ったところ――
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。