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第一話 舞い戻ってきた青き目 一
青き目が嫌々上方に戻って、早二ヶ月が過ぎようとしている。
そして彼の今の業務、それは大坂城の警備だった。
「おい、われ! 早よ城へ行きさらさんかい!」
やはりこの方、今なお鬼である。
これに破近、大きく伸びをしながら
「はあ? 今日は非番言うてるやろ? もう、何べん言うたらいいねん?」
だが
「そら、われの声が小さいんや! ボケ!」
すぐに草履を履いた破近
「ホンマ、史上最悪な嫁やわ!」
そう言いながら、表に出ようとしたが。