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過労死デバッカーの異世界デバック学院無双 〜魔力0だけどバグさえ使えばなんとかなります!〜  作者: 甘い肉うどん
第二章 第二クール 伝説のデバッカー、冒険者となる

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第三十一話 予兆

次回新章。

世界の裏側での決戦から数日が経ち、王都は平穏を取り戻していた。魔法異常は完全に沈静化し、人々は何事もなかったかのように日常へ戻っていく。しかしアレンだけは胸の奥に小さな違和感を抱え続けていた。ギルドの屋上で風に吹かれながら空を見上げると、青空のはずなのに一瞬だけ“裏側の線”が揺れたように見えた。

「……まだ終わってねぇな」

シルヴィアが腕を組む。

「またバグでも見えたの?」

「いや……違う。もっと深いところで、何かが動いてる」

リーゼロッテが静かに言葉を添える。

「アレン様。カイという少年……彼は単独で動いているのでしょうか?」

「違うな。あいつの書き換え方、どう考えても独学じゃねぇ。誰かに教わったか、何かを見たか……もしくは――もっと深い層に、別の存在がいる」

シルヴィアが息を呑む。

「別の……存在?」

「魔法の裏側のさらに奥。俺でも触れたことがない領域だ。カイはそこにアクセスしてた」

リーゼロッテの表情がわずかに強張る。

「それは……この世界の魔法体系の“根源”では?」

「かもな。つまり――世界の魔法そのものに、最初からバグがある」

シルヴィアが驚きの声を上げる。

「最初から!? そんなの……どうしようもないじゃない!」

「どうしようもなくても、放っとけねぇだろ。カイがそこに触ったってことは、他にも触れる奴がいるかもしれねぇ」

リーゼロッテが静かに頷く。

「アレン様。それはつまり――新たな旅が必要ということですね」

アレンは笑った。

「そういうこった。世界の深層バグ、全部洗い出してやる」

シルヴィアが呆れながらも微笑む。

「……ほんと、あんたってデバッグ以外に興味ないの?」

「あるぞ」

「え?」

「飯と睡眠と……まぁ、色々な」

「色々って何よ!」

アレンは軽く手を振り、屋上の階段へ向かう。

「行くぞ。次のバグは、王都の外だ」

リーゼロッテが後に続き、シルヴィアも慌てて追いかける。アレンは振り返らずに言った。

「新章開始だ。いっちょ深層デバッグといくか」

風が吹き、空の“裏側”がわずかに揺れた。それは世界の根源に潜む巨大なバグ、そしてカイの背後にいる“何か”の予兆だった。

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