第二十四話 冒険者ギルド
novelbrightのライブ当たった!
アレンは隠れ家を出て王都の大通りを歩いていた。外の空気を吸うのはほぼ初めてだが、足取りは妙に軽い。シルヴィアは隣で腕を組みながら、ほんとに来たわね、冒険者ギルド、と呆れ半分の声を出し、アレンは「未知のバグがあるって言われたら行くしかないだろ」と当然のように返す。リーゼロッテはアレン様が外を歩く姿……新鮮ですね、と微笑み、三人は王都の中心にそびえる冒険者ギルドへ向かった。普通の人にはただの石造りの建物だが、アレンには入口の魔法陣が歪んで見えていた。
「……うわ、入口の魔法陣、バグってるな」
「は!? どこがよ!?」
「魔力の流れが逆流してる。よく爆発しないな」
「爆発って言わないで!!」
そんなやり取りをしながらギルドの扉を押し開けると、中は冒険者たちの活気で満ちていた。だがアレンには魔法の裏側が丸見えで、そこら中にバグが漂っているように見える。
「……魔法の裏側が丸見えだな。バグだらけじゃねぇか」
「普通の人はそんなの見えないのよ!」
受付嬢がアレンに気づき、笑顔で声をかけた。
「いらっしゃいませ。冒険者登録ですか?」
「そうだ。今日から冒険者になる」
「ではこちらの魔法登録陣に手を置いて――」
アレンは魔法陣を見た瞬間、眉をひそめた。
「……この魔法陣、構成式が壊れてるぞ」
「えっ……?」
「魔力の流れが循環してない。登録した瞬間に魔力暴走するぞ」
「ま、魔力暴走!? そんなはず……!」
アレンはため息をつき、魔法陣に指を触れた。魔法陣が“ピッ”と音を立てて光り、構造が整う。
「ほら、直した」
受付嬢は目を丸くした。
「な、直したって……そんな……魔法陣を……?」
シルヴィアが肩をすくめる。
「この人、魔法の裏側が見えるのよ。気にしないで」
「気にするわよ!!」
受付嬢は震える手で魔法陣を起動した。
「……アレン・ロードライトさん。登録完了です。ランクは……特例で“Bランク”からのスタートになります」
「B? 高くね?」
「魔法陣を素手で直した人、初めて見ましたので……」
アレンは軽く笑った。
「まぁいい。じゃあ――」
アレンは依頼掲示板を見上げた。無数の依頼が貼られているが、彼の目に止まったのは一つだけだった。
『魔法異常発生地点の調査依頼(危険度A)』
アレンはニヤリと笑う。
「……魔法異常。つまりバグだな」
「ちょっと! いきなりAランクなんて無理よ!」
「バグがあるなら行くしかないだろ」
リーゼロッテが静かに言う。
「アレン様らしい選択ですね」
アレンは依頼票を引き抜き、受付嬢に差し出した。
「これ、受ける」
受付嬢は青ざめた。
「えっ……えええ!? 本当に!?」
アレンは軽く笑って言った。
「いっちょデバッグしてくるわ」
こうしてアレンは冒険者としての第一歩を踏み出した。
その足取りは軽く、そして――世界の魔法体系を揺るがす“巨大バグ”へと確実に近づいていた。
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