第十五話 決闘祭②
評価して!
アレンの勝利は、他校のエリートたちに大きな動揺を与えた。
特に、自国の精鋭が指一本で弾き飛ばされたレムリア王国のエドワード王子は、屈辱に震えながら自陣の天幕で指示を飛ばしていた。
「ありえん……。あのような無能に、我が国の重戦士が敗れるなど! 奴は必ず何か禁忌の術を使っている。……おい、予備の測定器を持ってこい。今度は全校生徒の前で、奴の『正体』を暴いてやる」
翌日。決闘祭のインターバル中、エドワードは中央広場に巨大な「魔導投影機」を持ち出した。これは、対象のステータスを巨大なホログラムとして空中へ映し出す装置だ。
「諸君! 昨日のアレン・ロードライトの勝利に疑問を持つ者は多いだろう! 私は魔導大国の王子として、不正を許さない! 今ここで、奴の真のステータスを白日の下に晒してやろう!」
野次馬たちが集まる中、アレンはリーゼロッテとセフィを連れて、面倒くさそうに現れた。
「王子様、まだ懲りないのか。人のデータを勝手に見るのは、プライバシーの侵害だって言っただろ」
「黙れ! この投影機は王国の秘宝、偽装など通用せん! さあ、その無能な数値を皆に見せて、学院から去るがいい!」
エドワードがスイッチを入れると、アレンの頭上に巨大なステータスウィンドウが投影された。
だが、そこに表示されたのは、誰もが予想しない「光景」だった。
Name: Allen_Lordlight
Level: -1 (Underflow_Error)
HP: NaN / NaN
MP: 4,294,967,295
Title: [World_Debugger] [God_Eater] [Administrator]
Skill: [Reality_Overwrite] [Delete] [Rollback]
「……な、なんだこれは!? レベルがマイナス一!? 称号……神喰らい……管理者だと!? ふ、ふざけるな! こんな数値があるわけがない!」
エドワードが混乱して叫ぶ中、アレンはセフィに耳打ちした。
「セフィ、せっかくだから、王子のデータも隣に並べて表示してやれよ。比較対象があったほうが分かりやすいだろ」
『――了解。対象個体エドワードの全秘匿データを強制開示します』
次の瞬間、アレンのステータスの隣に、エドワードのステータスが並んだ。
Name: Edward_Von_Lemuria
Level: 45
Strength: 12 (Slime_Equivalent)
Intelligence: 5 (Monkey_Equivalent)
Secret: [Underwear_Preference: Pink_Frills] [Hidden_Debt: 50,000,000 Gold]
「……ぶふっ!」
誰かが吹き出したのを皮切りに、広場中に爆笑が渦巻いた。
「筋力がスライム並み!?」「知能が猿と同等だってよ!」「おい見ろよ、王子の隠し事……ピンクのフリフリ……っ!!」
「ぎ、ぎゃあああああああ!? 消せ! 今すぐそれを消せぇぇぇ!」
エドワードは顔を真っ赤にして機械に飛びついたが、セフィが構築した「無限ループ・スクリプト」により、投影機は破壊不能オブジェクトと化していた。
「データっていうのはね、見せる側にも覚悟が必要なんだよ、王子様」
アレンは冷めた瞳で、地べたをのたうち回る王子を見下ろした。
ステータスの公開処刑。
この日を境に、レムリア王国の権威は地に落ち、アレン・ロードライトの名は「触れてはいけない神域の怪物」として、五校全ての生徒の心に刻み込まれることとなった。
pv100を突破!




