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7 交流開始

外交長官ミオらと国防総省の職員、魔法省職員を乗せた第三艦隊は日本国の艦船と交流するため、湾を出て北へと進む。その間ミオと国防総省職員、魔法省職員と雑談が交わされる

「日本の艦船を間近で見るのは初めてですから楽しみだな~」とミナがしゃべると

「えぇ、私も楽しみですね。日本の艦船がどのようなな構造をしているのか見てみたいですな」

「あの燃える矢。自動で追尾してくる。どれほどの魔力が詰まってるのかぜひ鑑定したい」

対する出迎えは第11護衛隊ゆうぎり、あまぎりそしてFFMのもがみ、くまの+ひゅうがという編成だ

そして先行して接触するのは護衛艦もがみだ。

「なっ!」

艦隊の左舷側から現れた護衛艦もがみはイルミナ王国の船員及び外交チームを驚愕させた。その美しく滑らかな表面と、装備がごちゃごちゃしていない艦は軍人たちに感動を与えた

「こ、こんな艦が…」ミオも衝撃を受けている

「ユニコーンの角のようなマストですな」

「いやしかし、魔力は感じられませんぞ」


艦隊が先導されていくこと数十分。軍人たちは護衛艦もがみのあまりの速さに驚愕する。

驚きはそれだけではなかった。日本国が用意していた艦隊は4隻、しかしその中でもひと際大きい艦がいた。

「な、なんですかあの城のようなものは・・・」

「す、すごい。我が軍の戦艦と同じぐらいの大きさがあるではないか」

「う~む」

「どうしたのですか?」

ミオが魔法省職員に声をかける

「いや、あの艦隊どれもに魔力が感じられない。魔力を隠せる能力を持っている船なのか、あるいは持っていないのか…」


しばらくして小型ボートがやってきて

「こんにちは。護衛艦ひゅうがよりやってきました。これより外交メンバーを案内いたします」

「よろしくお願いいします!」

小型のボートに外交長官ミオらと国防総省の職員、魔法省職員が乗り込み、出発する。

大きな音を立てるとともに自分たちの乗ってきた艦がどんどん離れていく

そしてその中でも一番デカい艦に乗り込む。乗船し、広い甲板に案内されるが、ここでミオ達は疑問を抱く。

それは、戦艦レベルの大きさなのに主砲がないことである。端っこの方に砲のようなものがあるが、あれで敵艦を沈めれるとは思わない。そこで国防総省の職員が日本国の軍人に質問した

「すみません。この艦には主砲がついていないようですが、どのような役割を持つ艦艇なのでしょうか」

「はい。こちらの艦艇はひゅうがといい、ヘリコプターと言われる飛行機体の発着を行う艦です。航空基地と思ってもらって構いません」

「そのヘリコプターというのは?」

「この艦は退役予定なので積んでおりません」

「それでは、ここから中にどうぞ」

そして艦内に案内され、ある部屋に入る。中には黒い服を着た人達が笑顔で立っていた。

「日本国外務省の中村です」「林です」

「ミオです」と順番にあいさつをしていく

「では今回、今後のイルミナ王国と日本国について話し合いたいと思います」

「えぇ、外務大臣が失礼なことをしてしまったようで」

「我が国の立場としては現状、あなた方を国として認めることができません」

「・・・?」

「あなた方イルミナ王国は日本国のEEZ内にあり、我々日本国が資源などの独占権を有します」

「ですが、私たちは…」

「お気持ちはわかります。今回のようなことは我々にとっても想定外です。今後、国として認めるかどうかは議会が決定しますのでそれまでイルミナ王国との外交ルートを確保しておきたいのです」

「分かりました。では我が国の説明と地球についての説明ををいたします」

「はい」

「我が国は大きくわけて4つの島とそれぞれ小さな島で形成される島国です。人口は1億2万人。経済力は世界第3位、軍事力は世界第7位です」

ミオやその部下たちは驚愕した。その数値と人口で見れば列強レベルだ。

「まずこの世界ですが、魔法はありません。この世界には190か国以上の国があり、国際機関もあります。空を高速で移動する乗り物や、地上を高速で移動する乗り物などがあります」

「ちょっと待ってくれ。魔法がないのは誠か?」

「はい」

「では、この前のオシタニア艦隊を襲った自動追尾し火を噴く矢のようなものは何なのだ?」

「あぁ、そちらはミサイルというものですね。目標を自動で追尾し、着弾すると大きな爆発を起こします」

「な、なんと…」

魔法省職員はうなだれてしまう

その後、いろいろ質問をしていると昼過ぎになっていた。そして日本国側の職員から「そろそろお昼ですので、みなさん一緒に昼食を取りませんか?」

「い、異世界のごはん!」ミオは興奮した。異世界のごはんというものが気になってしょうがなかったのだ

食堂という部屋に通され席に着く。そして配られたのはカレーという茶色の味をした食べ物だ。ここでミオの興奮は収まってしまう。

国防総省の職員は「あいつら我々にクソでも食べさせようとしているのではないか?」と耳打ちしてきた。しかし、匂いは食欲をそそる匂いである。

「服に着くと、なかなか落ちないので注意してくださいね」

「では、いただきましょう」

日本国の職員はカレーというものを口の中に入れる。そして美味しそうに食べるのだ。

「さぁさぁ、皆さんもどうぞ。海軍カレーと言って、通常はあまり食べられないのですよ」

ミナは恐怖心を抑えながらスプーンを手に取り、カレーを口の中へ運ぶ

ゆっくりと口を動かしごくりと飲み込む。そしてミオは動かなくなった

イルミナ王国の者たちが心配そうにミオを見つめる

「ミオさん!大丈夫ですか!」

さすがに日本国の職員たちも心配して声をかける。


口の中に入れた瞬間。イルミナ王国では味わったことのない味を感じることができた。スパイスがちょうどよく甘い。そしてこの穀物。下積み時代に南方の雨が降りやすい国の穀物として食べたことがあるキョメというものに近い穀物。それがこのカレーという茶色のものとすごく合う。私は今、この瞬間。初めて生きていてよかったと思ったのだ


「お、美味しい」体が震えながらもその言葉を発する。

「ほら皆さんも!是非食べるべきよ!イルミナ王国じゃ感じれないおいしさだわ!」

ミオがそう言うとみんなカレーを口に運び出す。そしていろんなところからカレーを称賛する声が聞こえた。

カレーを食べた後再び会議室に戻り、今後について話し合う

問題なのは外交ルートをどうするのかである。イルミナ王国内で日本のいいうわさを聞かないので上陸させるわけにもいかない。となると…

「この船をそのままイルミナ港に入港させるのはどうでしょうか?」ダメ元で行ってみたがこれがうまくいったのだ。

「なるほど。それは名案ですね。この船は運用を離脱する予定ですし、しばらくイルミナにいたところで何も問題はありません」

これに口を開いたのは国防総省

「え、もったいなくはありませんかな?」

「この艦は運用終了後に輸送船となる予定ですし、後継としてこれよりさらに大きい艦が就役しますから問題ありません。それと、イルミナ港に入港する際、護衛の艦を1隻引き連れても良いでしょうか」

「えぇ、まったく問題ありません」

「あと、補給のために定期的に日本国の旗を掲げた艦船が来ますので軍にお伝えください」

「分かりました」

「それでは、このままいきましょう」

「え⁉、大丈夫なんですか?」

「全く問題はありません。政府の方にはすでに知らせておりますので」




イルミナ港

そこには要塞のような艦とイルミナ王国の駆逐艦と比べるとすらっとしている艦の2隻が日本国の旗を掲げて入港していた。町の人や旅人はその姿を見ようと岸壁に人が集まる

「す、すげぇなぁ~」「あれは戦艦なの?」という声が聞こえる


その日の夜

日本とイルミナ王国のテレビで今回のことが報道され、世界は再び安堵に包まれた


イルミナ王国にもテレビがありますが、酒場や貴族の家などにしかない高級品です

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