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4 軍事衝突

補足

イルミナ王国の形はリャオニン省とほぼ同じで、リャオニン省の大連や湾が和歌山県に向くような形になっています

「くそっ!」国防大臣のレストは会議室を後にする。

結局エマーソンは日本という国に宣戦布告をしてしまったのだ。国防総省の中でも海軍省、陸軍省がいるのだが、海軍省長官は否定的、陸軍省長官はむしろ賛成していたのだ。レストは考えた。そして何かを思いつき、ある貴族の屋敷へと向かう。向かった先はオシタニア艦隊司令官及びメドシア侯爵の息子であるヤークを呼びに来たのだ。ヤークはツテで司令官へとなりあがった人物で、ほぼ1年中屋敷にこもり女遊びをしている人物だ。過去には配下の妻を寝取ったり、司令官会議で問題発言を連発したりと海軍省だけでなく、陸軍省、国防総省からも嫌われている人物だ。そんな彼もエマーソンと同じ考えであり、出動命令をだして殉職させたい。別に戦果を挙げたところで簡単に昇進はできないのでどうなったって我々にデメリットはない。

屋敷の門番に大臣手帳を見せ、中に入る。

「おや?国防大臣みずから訪問ですか~」

ヤークは派手な服を着てその周りに女性たちが群がっている

「あの国の件についてお願いがあります」

「ほーう?」

「実は、ヤーク様が率いるオシタニア艦隊に出動してもらいたい」

「ふふふ、なるほどぉ」

ニマニマしながらこちらを見る

「久しぶりに我の出番か…グヒヒヒ。任せろ、この大貴族ヤーク様が国を救ってやろう」

うぜぇドヤ顔・・・

「・・・ありがたき幸せ」



オシタニア艦隊は戦艦オシタニアを旗艦とし、ラーメロ級巡洋艦3隻 グーリニッチ級駆逐艦3隻とハルバード級駆逐艦2隻の合計9隻の艦隊だ。オシタニア艦隊は元々、敵地への上陸、砲撃支援などを行う艦隊であったが転移前の大軍拡によって新型艦であるハルバード級の駆逐艦が配備され、戦力が強化された。

そしてあのヤークを司令官とするオシタニア艦隊が出港した




日本国政府緊急会合

巡視船みずきからの緊急報告によって急遽開催された。

「う、うーん困りましたね」

「現在監視に当たっている第1護衛隊と第11護衛隊のほかに第12護衛隊を派遣しています」

「問題はこのことを国民にどう発表するかだ」

「正直、ことが起こってからでもいいと思いますけどね。軍が勝手に行動したとか言い訳で乗り切るしかないですよ」

「いやーさすがにちょっと・・・」太田首相は渋る

「もう黙っておくしかないですよ。言い訳は後で考えましょう」

「うーん」


昼前

護衛艦やまぎり

あさぎり型の2番艦で1989年に就役。一時期は練習艦として活躍していた。

そして現在、やまぎりはオシタニア艦隊を追尾していた。

「敵艦隊との距離は」

「約13キロです」

「そのまま追尾しろ」

「こちら側から攻撃できないのが残念だな」

ビービービー

艦橋に大きな音が響くと

「艦長!10時の方向飛翔体が接近しております!」

「なっ!近接防空戦闘用意!」

20mm機関砲が向きを変え発射するが時すでに遅し。バーンという音と船がひっくり返るような衝撃がやまぎりを襲った。

「状況を報告しろ!」

「ヘリ甲板に着弾した模様。甲板は抉れ火災が発生しております!」

「離れるぞ!空いてる船員を消火活動に回せ!」

「はっ!」

護衛艦やまぎりは敵からの攻撃を受け、離脱する。正確にはやまぎりに着弾したのではなく、魔導砲が甲板を抉りながらかすめていった方が正しい。


第1護衛団と第12護衛隊の合計7隻は一時的に第一護衛団の指揮下に入っていた。

護衛艦いずも

対象を追尾していたやまぎりが被弾し、離脱したという情報が届き艦内に緊張が走る。また、やまぎりから敵の弾はレーダーで捕捉可能、ミサイルよりスピードがある。撃墜が可能かは不明と情報が送られてきた。しかしレーダーにはもう敵艦隊を補足できており、いつでも発射可能だ

護衛艦まや

「射程範囲まであと2キロ」


「あと1キロ」


「射程範囲に入りました」

「むらさめ、いかづちにも伝えろ。攻撃を開始せよと」

 

「うちーかたーはじめー」

3隻の護衛艦から90式艦対艦誘導弾が2発ずつ、合計6発がそれぞれ別の目標へ発射される。

続いて残りの3隻も攻撃するために護衛艦あぶくまからハープーンが1発ずつ発射された


戦艦オシタニア

「司令官殿、我々を追尾していた敵艦1隻を炎上させてやりました。しかし、距離があり、途中で魔力切れを起こす可能性があるため、これ以上の攻撃は中止しました」

「よろしい。このまま敵の町を破壊してやろうではないか!」

艦長からの報告を受け満足そうな顔をするヤーク

しばらく時間がたってからだろうかハルバード級駆逐艦のみに搭載されている魔力物理レーダーが反応したのだ。

「司令官!1時の方向から飛翔体が飛んできます!衝撃に備えてください!」

「何⁉今すぐ障壁魔法を展開しろ!」

障壁魔法装置によってミサイルを何発か防ぐも、ラーメロ級巡洋艦1隻とグーリニッチ級駆逐艦2隻が撃沈した。

「もう3発きます!」

ドーンという音と衝撃がオシタニアに響く

「状況は!」

「船体後部に被弾!火災発生中です!」

「どうしてだ!なぜ被弾したのだ!」

ヤークは顔を真っ赤にして艦長を叱責する

オシタニアは障壁魔法展開装置の配置位置上展開されない場所があり、偶然そこに被弾したのだ

「2発きます!」

そうこうしている間に2発のミサイルを捕捉した。しかしそれはミサイルではなく護衛艦いずもから発艦した2機のF-35Bであった。

2機は空対艦ミサイルハープーン合計4発を発射し、障壁魔法が間に合わず2発がオシタニアに直撃した。1発は艦橋の左舷側をに着弾しもう一発は船体前方に着弾

残りの2発はラーメロ級巡洋艦とグーリニッチ級駆逐艦1隻ずつ被弾し撃沈した。

ハルバード級駆逐艦から魔術士がF-35Bに向かってファイヤーボールを放ったが直撃することはなかった。司令官であるヤークは悲鳴を上げながら粉々になって死亡し、損害が大きいことから艦隊は引き返すことになる。



護衛艦いずも

「敵艦隊、引き返し始めました!」

「よし、よくやった」

各護衛艦内で歓声が沸く

そしていずもの乗組員たちはF-35Bのパイロットを迎え、無事を確認し合った



第二話で登場したハーデル級駆逐艦について

ハーデル級はヤマル国王が即位する前に建造、就役した駆逐艦でエイジェイ65単装魔導砲を前方に2発、1型障壁魔法展開装置を搭載している。速度は22ノット。

7隻が建造され1番艦から順にハーデル、モロテ、ガバタナ、ヤムート、デヘリ、ハーデルⅡ、モロテⅡである。デヘリ、モロテⅡは海戦で撃沈している。Ⅱがついているものは建造時に2型障壁魔法展開装置を装備しているからである。ちなみにモロテⅡは障壁魔法展開装置の故障で魔法を展開できず、攻撃されて撃沈された

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