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2 接触②

イルミナ王国王都イルミナ軍港

イルミナ王国より特別艦隊が編成された。目的は外の調査と、この世界の文明人との接触である。拿捕されることも考えて旧式艦での調査となる。ハーデル級駆逐艦ハーデル、モロテ、ガバタナ、ハーデルⅡと巡洋艦モロヘイナの計5隻だ。

艦隊総司令を務めるハーグレーは不安と期待を胸に出港を命令する。

イルミナ湾を出て、いよいよ公海となる。この付近で正体不明船とすれ違ったということで皆に緊張が走る。また船の外に設置されたカメラを使って、ヤマル国王と各大臣が成り行きを見守っていた。



日本国特別委員会

特別委員会は突如現れた島に対応するために立ち上げられたもので、その島の活動や異変などはすべてここに情報が集められる。また政府の応答なしに行動の許可を出すことができる。

制限海域を設定し、他国の船や、漁船の侵入を海自と海保が厳しく監視している。

海保は第五管区の所属船せっつ、やしま、みずきを中心に巡視船を派遣

海自は横須賀港より第1護衛隊のいずも、まや、むらさめ、いかづちと第11護衛隊のやまぎり、ゆうぎり、あまぎりの合計7隻を派遣した。護衛艦いずもにはF-35Bをいつでも発艦できるように待機させている。また陸上では12式地対艦誘導ミサイルを配備している。


海上自衛隊護衛艦まや

「CICより艦橋へ、湾から5隻が北に向かって航行中。このままでは接続水域外へ行く可能性があります」

「こちら艦長。了解した。委員会に情報を」

まやによって探知された5隻の艦隊。委員会は5隻の艦隊に対して接触を試みることにした。

5隻の艦隊のところへ向かうのは護衛艦まや、あまぎりと巡視船やしまだ。



特別偵察艦隊モロヘイナ

「艦長、レーダが1隻の船を探知しました」

「分かった。周囲の艦にも伝えろ十分に警戒せよと」

「はっ…な!」

「どうしたのだ」

「レーダが新たな船を探知!先ほどと合わせてです!明らかにこちらに近づいています」

「分かった。全艦に伝えろ3隻の艦が接近してくると、決してこちらから攻撃するな!」

艦隊は先頭に1隻両サイドに2隻ずつでモロヘイナを囲むようにして陣を整えた


「艦長、不明艦隊は陣を整えているようです」

「CICに伝えろ、いづでも攻撃できるように準備しとけと」

「了解しました」


会議はざわついていた。この艦隊はどうなるのかと。また王女であるイザイナもこの行方を見守っていた。「だ、大丈夫なのか…」や「大丈夫だろ、資料を見たか?あんな小さい砲じゃなんもできないよ」なんて声が聞こえてくる。ヤマルも今回の結果によって外交方法を決めるので慎重だ。「できれば自分達より下だといい」そう願っていた。そして画面から「うわぁ!」と声が聞こえたのだそして次の瞬間魔導カメラが動く。カメラが写したものは資料で見たものとは違う。

大きくて圧がすごい。

「こ、国防大臣!今すぐ解析を!」

「パッと見た感じ、主砲は一門、そのほか小さい砲みたいなのが見えますがそれが何なのかはわかりません。あの白い船よりは攻撃力は高いでしょう。それと艦橋についている六角形のものが何なのかはわかりません」

「遠いですが白い船も見えます。少し小さいですね。あ、もう一隻はどこでしょうか」


モロヘイナではどう来るのかとみんなが息をのんでいた。数ではこちらの方が上だ。艦から魔力を感じないが左舷側にいるあの艦は威圧感がすごい。

そして陣の先頭を航行している駆逐艦ハーデルに白い船が近づいていく。

「おい!攻撃準備をしとけ!何があるかわからんぞ!」

未知との遭遇はあちらも同じだ。しかし、魔力を感じることができないからこそ何があるのか不安だ。

そして白い船が何かを言っているのが聞こえる



艦長、警告を

巡視船やしまはマイクをオンにして警告する

「こちらは海上保安庁田辺海上保安部。貴船は日本の領海に侵入しようとしている。速やかに停船し、所属をこたえろ。繰り返す、こちらは海上保安庁田辺海上保安部。貴船は日本の領海に侵入しようとしている。速やかに停船し、所属を答えろ」

「これで止まってくれるのであればよいのだが…」



「ハーグレー司令官!」ハーデル艦長から魔導通信がくる

「どうなってる!状況を報告せよ!」

『相手は、イルミナ語を話します!あの白い船によるとここから先は日本という国の領海で速やかな停船と所属を答えるように求めています。いかかがされますか?』

このやり取りはあちらの会議にも聞こえているだろうし、あちらからこちらに声を送ることもできる。

さて、どうするだろうか


「王様。どうされます?」

国防大臣は正確な情報はわからなくても現在見える範囲の武装からこちらが有利と推測している。

「分かった。白い船の命令に従え」

「全艦!速やかに停船しろ!」ハーグレーは心臓をバクバクさせながらこの先どうなるのだろうかと見守る



「艦長。停船しました」

「ほぅ、日本語が通じるのか」

「すぐに臨検部隊を送ります」

臨検部隊は船外に出て「すみませーん!」と声を上げる

すると駆逐艦から人が何人かでてきた

「田辺海上保安部の山下です。今から貴船の臨検を開始します!全武装を解除してください!」

「こちらはイルミナ王国駆逐艦ハーデルだ。あなたたちが我らに何もしないと約束してほしい」

「分かりました。約束します。その前に、我々イルミナ王国という国は存じ上げません。どこから来たのか、目的は何か教えてくれますか?」

「ここから南にある場所より来ました。目的は調査です」

「分かりました。今から臨検を開始いたします。そちらに乗り移りますね」

小型ボートを使い駆逐艦ハーデルに近づく



「ハーグレー、何が起きているのだ」

『どうやら臨検が始まったようです。一応身の安全は保障するとのことですが、駆逐艦ハーデルに何かあれば我々はすぐに逃げれる準備をしています』


「ところであの白い船以外動きませんね。」

「国防大臣はどう見ますか?」と産業大臣から話を振られる

「多分、あの船しか臨検部隊がいないのだと思います」


「おい!右舷側から白い船がもう一隻来るぞ!」船員が声を上げる

「貸せ!」乱暴であるが双眼鏡で確認する

間違えない、資料映像で駆逐艦とすれ違ったあの船だ

「国防大臣!右舷方面より、資料の特徴と合致する白い船がこちらに向かってきています」

『誠か!』

ハーベル艦長の頬に段々と汗が流れ始める。もしかしたら戦闘になるかもしれない。身の安全はしてもらっているが裏切る可能性もある。



「すごいな」

海保の職員は声を上げる

見た目は第二次世界大戦中の駆逐艦のようであるが中は意外ときれいであった。そして乗組員は耳が長かった。物語とかでよく見るエルフに近い

「それでは」と臨検を行う

そして、海保職員は何があったのか艦長から詳しく聞くことができた。

所属国はイルミナ王国。ある日に陸だった場所が海となり、島の周囲を調査していたところえちごと思われる海保船とすれ違う。そして国は本格的な調査をするために艦隊を編成して調査を開始したとのこと。信じられないが、この船は魔法で動いていることなどを聞くことができた。また、旗艦である巡洋艦は王国政府の大臣や王がリアルタイムで見ているとのことだった。

委員会にすぐさま連絡を入れる。

「本国との連絡がつきました。明日にでもそちらへ伺いたい」

「えぇ、こちらも問題ありません」

「それではこれ以上は日本の領海ですので引き返していただきたいです。ご協力感謝します」

こうして日本と島の軍との接触はニュースになり、イルミナ王国ということも世界中に広がっていった。




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