閑話 F-35Bの行方その1
ソタスから攻撃を受けたF-35Bは一時制御不能になるも体勢を取り戻し、ふらふらしながら離脱した。
そのF-35Bに乗っていたのは斎藤と言う名でいずもの中で一番操縦がうまいといわれているパイロットである。
「チッ、これは脱出だな」
制御が難しくなったF-35Bを見て斎藤はそうつぶやくとボタンを押し、F-35Bから脱出する。
直ぐにパラシュートが開き、近くの平原へと着地する。
肝心のF-35Bはふらふらと飛行しながら奥の森の方へと姿を消した
そしてその上を数機のF-35Bが飛び、斎藤の姿を確認すると去っていった。暫くして、ヘリコプターが救助に来てくれ、無傷で護衛艦いずもへと帰還したのだった。
防衛省
今回の戦いで数が限られているF-35Bを1機失ってしまった。
F-35Bの最終確認位置、想定墜落範囲は防衛省が仲間のF-35Bより聞き取り済みで、あとはF-35Bの回収だけになった。
そこで第46普通科連隊の一部隊員と冒険者と言われる現地に詳しい傭兵のような集まり、そしてイルミナ兵を連れて想定墜落範囲へと向かう予定となった
第46普通科連隊より10名の隊員とF-35Bパイロットの斎藤隊員、イルミナ兵5人とAランク冒険者パーティ「不死身のハンター」が同行する。
途中まで高機動車に乗車し、16式機動戦闘車の護衛のもと現地付近の森まで向かう。
「私のミスでここまでなるとは申し訳ない」
斎藤は今回の探索チームの隊長である若林隊員に謝罪する
「いえ、問題ありません。これも国のためですから。それよりも斎藤隊員。装備はそれだけでよかったのですか?」
「ええ、問題ありません。そもそも陸自の皆さんと違って銃の扱いに慣れてませんし、もしもの時は皆さんを頼りますよ」
「そうですね。お任せください」
斎藤が持っていたのは9mm拳銃であくまでも護身用であり、もしもの時は陸自とイルミナ兵らが対応する手筈になっている。
不死身のハンター視点
イルミナ兵の森林探索の同行クエストとして受注したのだが、受注は間違いであった。あの太陽の悪魔である日本軍と行動を共にするのだ。どうやら日本軍は何かを探しているらしく、それの護衛と言う事らしい。内心護衛なんていらないだろと思ったのだが、アイーゼが「魔物について詳しくないのでしょう」と考察したことで謎が解けたのだ。レナは自衛隊が持っている黒い魔法杖?のようなものに興味を示しており、そわそわしていたが恐怖心があるのか近づこうとはしなかった。
俺は鑑定スキルで黒い魔法杖のようなものを鑑定してみたが【不明。主に金属で作られており一部素材は鋼でできているとみられる】という事であった
俺たちは日本軍の指示で高機動車というやつに乗車した。
「グオオォォン」とものすごいスピードで平原を駆け抜けていく。キャッキャしていた3人の連れであったがジリが後ろを見て顔を青ざめる。そこにはイルミナでセリーヌ兵をぐちゃぐちゃにした緑色の鉄の塊が同じスピードでついてきていた
おれは横で操縦していた日本兵に向かって
「あの後ろからついてきてる緑の塊は大丈夫なのか?」
と質問をかける
「あー、それは16式機動戦闘車といって護衛用なので大丈夫ですよ」と質問を返してくれた。それを聞いて俺たちはホッとする。
街道を馬より速いスピードで抜け、ゴブリン平原へと出る。そしてここから先のメッシリの森へと進むのであるが、ここで高機動車というものから降ろされる。
どうやらここから先は森を進むので高機動車とやらで進むのは困難らしいのだ。
「メッシリの森と言えばあの凶暴なメッシリ族がいるとか言うッスね」
とジリが口を開く。
そうだ。そうだった。ここメッシリの森は白魔法に特化したメッシリ族の住処であり、メッシリ族は自分らのテリトリーに入った者に対して容赦しない凶暴な民族と言われている。噂によれば仕留めたあと、白魔法で回復させて再び襲うのだとか・・・
ここは自分の力と日本兵の力を信じて進むしかないな
メッシリの森のとある場所で
「きゃあっ!」2人の姉妹が突然現れたウッドゴーレムから逃げていた。
2人は手をつないで逃げるも妹がその場で躓いてこけてしまう
「あぁ、どうか・・・神様」姉が妹を無理やり引きづりながら開けた場所に出る。
しかしゴーレムに追いつかれ、2人はどうすることもできなくなってしまった。ゴーレムは勝利を確信した顔で「グオォォォ!」と大きな咆哮を上げる
「ぎゃああ!」姉妹が悲鳴を上げ攻撃から身構える
すると「ドグオオォォォン」と轟音が鳴り響き、ウッドゴーレムがいた場所が爆発する。
黒煙がみるみる上がっていき、そこにいたはずのゴーレムは消えていた。そしてあたりには見たこともないような金属でできた”何か”が散乱していた。
そしてそれと当時に村の大人と兄のアルジオンが現れ、「何があったのだ!メフィ、アスラン」と姉妹に向かって話を聞こうとする。他の大人たちは散らばった黒い金属なようなものを興味深そうに見ていた
姉であるメフィはかすれた声で
「ウッドゴーレムに追いかけられたの…そしたらいきなりウッドゴーレムが爆発して…」
「爆発などするわけが・・・」
「アルジオン様、この散乱している黒い塊は鑑定でも特定できない謎のものです。もしかしたらこの爆発はこの黒い塊が起こしたものだと考えられます。一旦持ち帰って詳しく調べましょう」
「あぁ、そうする。誰か!この2人を村まで運んでくれ!」
陸自隊員が装備しているのは20式小銃です




