20 止まない対空攻撃
いずもとこんごう、まやを除く護衛艦たちはイルミナ港へ入港する。同時にソダスへ向けてESSMを発射する。F-35Bの搭乗員やハルメンがいったように障壁魔法には限界があるほか展開時の反応が遅れれば攻撃が通用することが分かった。どんどん撃っていき相手の魔力を奪うゴリ押し戦法だ
「また火を噴く物体が来た。どこから撃ってきているのだ?」
ソタスは周りを見渡す。そしてイルミナ港沖に停泊している船から発射されるのが見えた。
「あそこか」
ソタスは周りを飛行しているF-35Bに向けて風魔法を放つ。垂直尾翼に直撃しバランスを崩した一機は一時は真下に落下するも体勢をを整え離脱していく。それを見たほかのF-35Bの搭乗員たちは一時撤退する。
「おい!むかってきてるぞ!」
5隻の護衛艦は向かってくるソダスに対してオートメラーラ76mm砲を発射する。
オートメラーラ76mm砲は高い発射速度を備えており、対空用としてもかなり有能な方である。どんどん発射される砲弾はソタスの障壁魔法に着弾するもびくともしない。
ソタスが風魔法を起こそうと魔力を込め始めた時であった
「CIWS発射!」
高性能20mm機関砲CIWSがソタスに狙いを定めていく。1分で1万発以上撃ち込まれ、CIWSの弾切れと共にソタスを包み込んだ煙が晴れていく。しかしソタスは無傷であった。
「ウゴオオオオオ」と雄たけびを上げると、護衛艦に向かって攻撃を始めていく。
しかし攻撃はそれで終わりではなかった。まだ発艦していなかったF-35Bとイージス艦から発射されたSM-3、そして陸上からは10式戦車がソタスに狙いを定めていた
護衛艦ありあけにソタスの攻撃が命中し船首に大きく切れ目が入りパッカリと船首部分が切り離れ、前方から傾いていく。
それでも自衛隊は攻撃をやめず、攻撃を続けていった。数分後には障壁魔法を簡単に突破できるレベルになっていた。
そしてソタスがその場に落ちていく。
直ぐにイルミナの兵士が駆け寄り回復魔法をかける
そしてハルメンがソタスの下へ駆け寄る。
「いまから尋問スキルを使う。おい、起きろ」
尋問スキルはレベルが高いほど高度な嘘を見分けることができる
「おい、お前は誰だ。」
「う、うん?」
男から何かオーラのようなものが向けたのが確認できた。
「答えろ」
「そ、ソタスだ」
「ソタスか」
「あ、や、やっと解放されたのか!」
「解放?何があったのだ」
「教皇に拘束されて洗脳されてたんだ!教皇の指示に従うことしかできなくてな」
「そうか。今我々に敵意はないか?」
「あぁ、全くない」
ハルメンはそれを聞いて嘘ではないと分かったのだろう。兵を呼び出し連行させた
今回の戦いで自衛官2人が殉職してしまった他、護衛艦ありあけが航行不能。護衛艦を1隻失うことになってしまった。
今回の戦果は世界中に渡り、魔法に科学で対抗できるという証明になったのである。
一方で医療体制をしっかり整えていれば助かったのでは?という声やイルミナ人の虐殺をやめろという意見が上がっていた。
2日後・・・
イルミナ港
「まさか増援に第7師団が来るとはねぇ」
「まさかですよね。ロシアが仕掛けなければいいのですが」
イルミナ港には王都攻撃に備え、北海道から派遣された第7師団の一部が到着していた。
第7師団の第72戦車連隊、第7高射特科連隊、第7後方支援連隊である。
また、食料も大量に補給されていた。
何故、北海道から第7師団が来たのかと言うと…
ロシア・モスクワ
モスクワのある会議場にて、ロシア、日本、韓国の3か国の外交官が集まっていた。
韓国が主導した日韓露3国同盟である。
韓国は中国、北朝鮮の脅威から守ってくれるアメリカが撤退し、脅威にさらされていた。そこで、韓国は日本とロシアにアプローチを仕掛け、両方とも成功。そうなったことで3国同盟を提案したのである。すると両国ともに賛成し、今ここに至る。
「みなさん。本日はお集まりいただき感謝します。日本とロシアの外交官はすでにお判りでしょうが、3国同盟の話し合いについて今回集まっていただきました。韓国が提案する形としては・・・」
以下韓国案
ロシアは日本・韓国に基地を置く
3か国はどれか1か国でも攻撃されれば集団的自衛権を行使する
3か国は互いに軍事技術の情報共有、援助を行う
「我々ロシアとしては北朝鮮よりあなた方の方が国際的信用度が高く信頼できる。我々は韓国案に賛成である」
「日本国としては一部変更をお願いしたい」
以下日本改正案
ロシア、韓国、日本は各領土に一つ以上軍事基地又は利用可能地(空軍基地等)を置く
日本としてはアメリカのように軍事基地を貸し出したくなかった。主な理由としては国内の平和主義者が騒ぎ出すのと、沖縄の軍用地跡については再開発が進んでおり、貸し出せる場所がなかったのだ。
結果として韓国が基地を置いてほしければ置くことができるため悪くはなかった
これには2国も賛成を示し、あとは各自国会の承認を待つだけとなったのだ。
しかし領土問題である。竹島について2国で話し合うとして、北方領土はどうなるのかである。ここが問題であった。しかし、ロシアは北方領土(4島)の返還を決定したのである。これによってロシアとの緊張が和らぎ、同盟が可能となったのだ。
これにより北海道の守りを薄くしてもかまわないとなったのである




