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1 接触

「不安だ」


そう言葉を発したのは海上保安庁巡視船せっつの艦長水島だ。


「何故です?私はそうは思いません。むしろワクワクしていますよ」と副艦長が言う


「相手がどのような技術、文明を持っているのかわからない。ましてや人間ではなければどうなるかわからない」


一応念のために横須賀から派遣されたこんごう型護衛艦ちょうかいが串本町から100キロの位置に待機している。もし相手がミサイルのようなものを打ってきた場合に対処できるようにするためだ。


2隻は衛星写真からみて港などがある湾内に侵入しようとしていた。


「前方!船影を確認」


「何⁉日本のか?」双眼鏡を持ち報告した船員に質問する


「も、木造です。マストや煙突などは確認できません。いま無線で呼びかけております」


「では、あの島の船ということだな。みずきとちょうかいに不審船発見と伝えろ。えちごが不審船に対して先行する」


だんだん近づくにつれ不審船の船体がはっきりと見えてくる


船体は水色に近く、主砲もあった。軍艦なのか?人影もはっきりと見え人だということが確認できる。明らかにこの世界の船ではない。こちらの方が少し大きいが、あちらの方が武装は上だろう。


結局今日は乗組員の安全を確保するために湾に入らず撤退することを決めた。




日本国政府会合


「・・・で報告は以上となります」と海上保安庁の職員から説明を受けた。


巡視船が撮影した動画を見るにあちらは本格的な軍があると見た。今後の調査と接触をどうするかである。


「やっぱり海からでしかないでしょうね」と防衛大臣が発言する


「海からでも攻撃されないとは限りません。船員の命が一番大事です」


「でもこのままでは話は平行ですぞ」


「流石に侵略しに来たとかでなければあちらも異変に気付いているでしょう。実際にすれ違っただけで攻撃してきませんでした。普通あれだけ島の近くに接近すれば威嚇射撃ぐらいしてくるはずですし…」




イルミナ王国


イルミナ王国の国防省は正体不明船とすれ違った駆逐艦ハルバードから送られてきた映像をもとに解析が進められていた。それと同時に会議が行われていた。


「内務大臣。国内で何か変わったことなどはあったか?」


「はい。まず気候が変わっております。異変前は湿度が高くなかったものの、異変後は湿度が高く、気温も上昇しておりますが国内の農作物や産業に影響はありません。自然についてですがモンスターは異変後も存在が確認されています。しかし海の生物は魔力を持たない生物しかおらず、海の魔物も発見できておりません」


「よろしい。国防大臣」


「はっ。駆逐艦ハルバードとすれ違った2隻の艦船はどちらも武装がありました」といって、持ってきた魔導機器から映像を流す。そして指をさしながら


「私が今指をさしているところにあるのが主砲とみられます。法の形状を見るに口径が小さく威力は弱いとみています。また、魔導砲ではなく別の何かを使って攻撃する砲だとみています。国防軍的にみて我々と同じように偵察で派遣されたものだと思います。我々のように戦艦や我々より高い技術力を持っている場合もあり、情報が少ないので慎重に行くべきだと思います」


「私は反対です。まさか軍がここまで慎重になるとは…船を見るに魔力は使われていませんね。つまりそもそも魔力という概念がないか、魔力(魔石)が貴重な存在なのでしょう。変に慎重に出て相手になめられるよりも強気で行くべきだと思います」と財務大臣が述べた。


「現状維持だ。相手が攻撃するまで我々は攻撃するな。相手がどのようなものなのか情報がない限り敵対してはならん。国防省はそのまま周辺の調査とあの船の国について調べよ」


「はっ。仰せのままに」






国連総会


あの突如現れた島をどうするかについて日本側はあの島に人がいて我々とは違う文明を持っていると理事会で発表した。しかしこれは世に出してはならない重要機密とされた。今回理事会で話し合うのは日本の領有が認められるのかだ。各国はこの土地を狙いたいのであろうが日本のEEZ内で簡単には手出しができない。現在あるのは調査は日本が行い国連が領有する案と日本が領有する案だ。


そして多数決によりどちらが領有するのか決定された。先進国(アメリカ、中国、ロシア)は棄権し、残りの国々での投票によって僅差で日本が領有することが決定した。そして突然現れたあの島は日本の領有が認められたのだ。


何故超大国が棄権したのかは国によって違うがアメリカの場合、日本と交渉してアメリカ領にするつもりだろう。日本政府はほとんどアメリカの言いなりでアメリカが日本に対し様々なカードを出せば日本を屈服させることができる。そう考えたのであろう。中国の場合あの島が国連の管理地域になれば手出しができない。かといって日本の領有を認めてしまえば、国内から不満の声が上がるだろう。流石にそうなるとごまかしがきかないからだ。


この件から世界中はどんどん混乱していくことになる。



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