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編光炉  作者: Nox
91/165

美味しい話

240107

肉の焼ける音、肉の焼ける音。

腐乱死体腐乱死体。

ボコボコと茹だった鍋が呼んでいる。

振り下ろして、叩き落として。


「なんで僕がこんなこと」


血袋の中の彼の顔。


「君はいい料理人になるな!」

「俺か?俺はダンサーになるんだ!」

「見ろ!この美しい肉体!これならお父様も喜んでくれる!」

「ああなんで、なんで」

「お父様、」


絶望し切った鍋の色。

ダン、ダン。

叩き潰して。


肉の焼ける音。




あまりの腐敗臭に思わず顔を顰めた。

山の麓にあるコテージの地下室には日も入らない。

薄暗い調理場には何人もの死体が転がっていて、その全てが腸を返され。


「……おい」


その奥の扉を開いて、あいつに声をかける。

あいつは絶望の涙を流しながら、腐敗臭ばかりのこの部屋で食事をしている。

そんなに美味いのかよ。笑みを浮かべて。



青髪のダンサーはハンバーグに丁度いい。


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