70/165
火炙
230501
アライグマが経営している旅館がある
女将は藍の着物を着て、周りは気に囲まれていて
そんなに広くもない
岩場を抜ければ現れる、木造二階建て
夜はライトアップされて、坂を下れば道路に出ていく
夜中に、忍び込んだんだ
ぱち、ぱち
どの程度やれば、全て燃ゆるのだろう
ぱち、ぱち
二階の部屋から抜け出した方がいいのだろうか
ぱち、ぱち
車を見送っていた女将がアライグマの為に警察を呼んだんだ
ぱち、ぱち
火は未だ燃え広がらず
ぱち、ぱち
私は寝た振りをして
ぱち、ぱち
あの女将は何を思っていたのだろう
ぱち、ぱち
煙の中でおやすみ




