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編光炉  作者: Nox
64/165

誰の為に

230223

茹だって生まれた鶏肉の晩餐会

地獄を這うような赤い海の中で、肉と皮でできたそれが歩き回っていた

悲鳴が上がる

幼い少女は自身の足では逃げ切れないと理解していた

大きな男は一人の死体を見て呆然としていた


乗せて


少女は男に言い放つ


全部終わらせよう


男は背に少女を乗せた

生き残った数人もそれに続く


ずた袋を引き摺る継ぎ接ぎの肉塊

小綺麗で、背の低い、太った男を見つけた


あれだ


追い掛けて、追い掛けて

追い詰めた先はとある病院で

二階で首を吊ろうとする男を止めた

徐に何かが振り撒かれる

少女は手だけを、その後ろは悲鳴が上がる

大男は進む


あれは、どんなクズでも、俺の弟だった


骨の折れる音がしていた





ぱつん、水鏡

泳ぐ生物、浮島の


船型の建物のような、海中のような

沢山の人で賑わっている

シャチがいる

私は写真を撮りたかったんだ

シャチは彼だから、私の彼女に見せるんだ

シャチ、シャチ、パンダシャチ

白いからだに黒い模様のパンダさん

水は満潮、島を飛ぶ

スマートフォンは落とさぬように


ぱしゃり


一枚だけね

クジラもイルカも何もかも、艶々として可愛らし

中に戻ろう


ざわざわとした館内で、夕食について考えた

下駄箱の様な玄関で、少女は何かを話していたな

結局なんにも口にせず、私はその場を後にした


波の音が響いている





歌唱大会では誰が優勝するのでしょうか

メロンボールなんてのもある

それは声真似に入るのでしょうか

私にゃそれはわからない


鐘が響く、審査員

笑いと歌と、声真似と

観客も漫ろ、笑顔のままで

景品は何?使ったルアー

景品は何?ダチョウの卵

景品は


風が吹く


静かな丘の上で、金柵の上に降り立った

ダチョウの卵を零してしまった

仕方ないので風船にした

あまりに良く空へ飛ぶ

抑え付けるがやっとのもので

紐結ばれたルアーがふたつ


切らないように気をつけて


赤毛の彼がそう言った


草原は緑、人は無く

柵の下には、船一つ





ざわめく教室の中で、前の席

緩く伸びをした


おはよう


右から二番目、玄関の傍、窓の傍

歴史か何かのプリントがひとつ

私の机に教科書二冊

隣の人はまだ居ない


居ないのであれば良いだろう

右の机にだらりと垂れた


もうすぐ来るから退いてやれ


仕方ないなと身を戻す

モザイク模様の彼が居た


話を進めよう

進めて

進める


さあ時間だ


仕掛けを解こう


不味いな、こうじゃない


窓の外には雪が舞い、目の前には血の海だった

本来こんなに死にゃしない

何かひとつを間違えた

血の海の中に面がある

百を超える、面が


ああ、また、これは


隣に彼がいることだけは、感じていたのだ


戻そう、全てを


面のひとつは、泣いていた

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