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三つの指輪
170307
体を軽くする指輪
自分の存在を薄くする指輪
願いを叶える指輪
彼女はどうでもよかった
自分の存在はいらなかった
ある時、たまたま指輪を手にしてから彼女は自分の存在を消そうとした
毎日毎日ふらふらと漂う日々
それで良かった
それで幸せだった
仲間もいたが、別に気にならなかった
それでも何だか、寂しくて
苦しくて、消しきれなくて
ある日戻った仲間の元で、静かにみんなを見ていたの
すると、なにかに気づいたの?
仲間が自分を探し始めた
嫌だ。気付かれたくない
それでも彼らは彼女を捕まえた
逃げない様に工作を繰り返し、追い詰め、捕まえた
彼女はボロボロ泣きながら、静かに喜んだ
いなくなったのは五年前
それでもみんな若々しかったのは、願いのおかげだろうか