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あまりもの じゅいち
譲れないのは誰のせい。
古屋敷の奥眠る私の。
私の顔見た貴女が嗤う。
優柔不断の弔いに。
日頃雪上の蝶死骸。
積みつ数えて手招いた。
先のお宿に座した横顔。
四成る角に隙間門。
鬼惑わずに此方の方へ、此方阿知らへ。
騒ぐ青鳥泥に同じと、黒紅の身をその手に出した。
紙が私を筒で殺した。
筒の中には毛の残り火と。
貴女の愛した私が翔んだ。
堕ちて逝く迄アタシを愛せ。
譲れないのは貴女のせいだ。
アタシが愛した貴女のせいだ。
夢見心地はさぞ嬉しかろ。
屋敷の奥で待っているから。




