夢に見た男
221007
夢を見たんだ
幼い少年、少女、青年
少女の兄
廃アパートの連なる路地があった
野原とそれが混ざったようなそこに、彼らはいたのだ
見知らぬ私のことを追い、階段越しに覗いていたのだ
なんだ
ひとつ問い掛けた
彼らは何も答えなかったが、遊んで欲しいと伝わった
暫くはそのまま、追いかけっこだ
私は好きに動き、彼らはそれを追う
それを楽しんでいた
暫く後、肥えた男の影が見えた
少女は動揺し、少年達は声を上げた
来てしまったと
私は彼らと共に逃げた
逃げてはいたが、私の体躯は階段の狭さには耐えられなかった
私は単身で、路地の角へと彼を誘った
彼はどちらかと言えば、少女に執心していたからだ
少女の方を見た
レンガブロックを手に取った
餅を殴っているような
上手く力が入らない
倒れてもまた起き上がるそれを、ただ
……死んだのだろうか?
いや、まだわからない
私はそれを縛り、縛り、縛って小さくし
ゴミ袋の中に詰め込んだ
そうして小さく小さく消えたそれを、換気口の下に棄てたのだ
血の匂いがする
別の場所にとんだ
道路と、街路樹、狭い公園
私は駈けており、何かを恐れていた
公園には熊、道路には狛犬の様な、大きな牙を持った何かがいた
そのどちらもがゆうに三メートルを超えており、その辺の建物の比ではなかった
狛犬の手が伸びる
唾液が振り注ごうとする
私は咄嗟にそこにある店に逃げ込んだ
手芸店だろうか、やたらと色が目に付いた
奥へ、奥へ、奥へ
学校のような廊下
私は周りの目に大丈夫だと放ち、扉を開いた
ひとりの男がいた
否、魂だけがそこにあった
私は気付く
あの時に棄てた男なのだと
私が造った呪いなのだと
見目は全く別物だった
これが本来の姿だろうか
手が伸びる
少なくとも、これが私の味方であると
そう、思った




