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薄墨桜
220927
色に支配された世界
黒塗りは死だと老人は言った
朽ちた破片が手のひらに刺さった
流れ出る血の代わりにエメラルドの緑を零す
薄墨の波が白銀の彼を追い、白銀の彼はその身体で燭台に手を伸ばした
燭台は割れ朽ちている
薄墨に覆われる前に 前に
ru-raru-rat
女の歌声がした
男は覆われ、燭台はその形を取り戻す
瞬間、世界は全てが薄墨となり、崩壊した
割れたルビーとエメラルドが降る
破片は繋がり、老人の元へと転がり
そして全てを飲み込んで、新たな光を宿すのだ




