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あと8年
161221
その世界には寿命という本がある
彼女は子を守るため
自分の寿命を使った
悪の玉は素手では壊せない
あと8年分
自分の寿命のページを見てぎりぎり足りた
本に挟んで玉を破壊し
時には自らの身体を使って黒い霊を潰した
そうして全てのたまを壊した時
彼女の寿命も全て壊れた
もう無いものをどう補完するのが正しいのか
私には分からないが、足りないのであればその時のことを思い出そうと思う
子を巻き込みたくなかったのかもしれないな
全てなかったことにすればその本の存在すら無かったことになるのだから
世界がそうあるべきだと、ただ一人の子の為に消えたのだ