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編光炉  作者: Nox
39/165

雨が降る

220406

子供の声が遠くに聞こえ、それはそれは懐かしい仄暗さを彩るのだ


……私は何を間違っていたのだろうか


古い日に買ったオルゴールの音色は錆びている

机に置かれた時計の弓は動かない

錆折れた月の音色が、苛む


私は何を間違っていたのだろうか


ごぷん、水が満ちるような

窓を叩く

仄暗さが増す


私は何を間違っていたのだろうか


打つ雨は優しげに全てを包み込む


私は何を


雨が降る


私は


どぷん、




ひとりの男が風呂場で亡くなっていたという

男に家庭はなく、添い遂げるものもいない


猫が、


猫が鳴いた


胸に抱いていたのは、月の降る夜だった

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