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嫌なクリスマスだ
211111
クリスマスの夜らしい
順番待ちの広いトイレが空いた
泣き続ける赤子を抱えた女を通した
オレンジの髪だった
僕はツインテールの彼女とギャンブルをする
ふたつのダイス 薔薇のダイス
3回勝負 勝てば自由 負ければ従者
ダイスを振る
3.3 6
2.3 5
僕の勝ち
彼女が膝に乗る
1.1 2
1.5 6
彼女の勝ち
膝に乗った女が自身の胸に僕の腕を寄せようとする
赤子の鳴き声がする
振り返った僕に彼女は言う
「あれはもう、死んでいる」
「じゃあ僕は、共感が過ぎるのだろうか」
「そうかもね」
ダイスを振る
ふたつの6の出目と落ちた薔薇の首
「薔薇の首は何点だ?」
別の少女から茶々が入る
「出目の大きい方に菓子パンしこたま食べてもらいましょうよお」
少女は笑う
ふっと意識が途切れる
赤い服を着て、サンタの格好
菓子パンは免れたらしい
ふ、と扉にものが当たる
ギイ、と軋んだ音を立てた
泣き止まない赤子にスープを与え続けていたのだろう
女の首が動いた
「誰、あなたは」
黒いモヤに包まれた赤い目がゆるりとこちらを向く
逃げなければ
近くの部屋の天井にへばりついた
差し込む薄黄色の明かりと、扉を開く音
モヤが部屋に
ここで意識は浮上した
心臓が脈打つ
これは悪夢と呼ばれるものだろうか




