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あまりもの し
あぁはいどうも。なんだぃ?こんな時間に。
道に迷った?そりゃぁご愁傷様。
この道に終わりなんてないよ。お前にそれがないように。
どういう意味かって?
なんだ、気付いていないのか。
まあ、いい。
ここは異影が流れ着く場所。
解した全てが流れ着く場所。
俺の事は「時計屋」とでも呼んでくれ。
それじゃあ、終わらぬ全てを語ろうか。
留めはあれど終無し。
ごとん、と重いものが落ちる音がした。
私はその音にハッとさせられた。
「嗚呼、ほんと、落ちやすくて仕方ねえ」
先程まで語っていた男はそれを止め、落ちたものをゆっくりと指差した。
「拾ってくれよ」
私は言われるがままそれを拾い上げる。
「どうも、どうも。いい子だな」
「だがしかしちょいと頭は足りないな」
「って」
男は一つ手を打ち鳴らし大笑う。
「足りねぇのは俺の方か!こりゃ、失敬。失敬!」
ここは異影が集う街。
腕中の首が笑う道。
私も、総じ。影の異子。




