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殺し合いを続ける世界の話
200621
雷と雨の降る古城の出来事
船は廃れそこにはなく、死んだもの達は灰となる
最後に残されたのは美しい妻と老いた頭の良い夫
夫を殺す手段を持たない妻は人魚が如く水に浸かり夫に殺されるのを待つ
そこに夫は斧とかぼちゃを被り、壊れたランタンを手にやってくる
夫は妻に切りかかろうとするが、途中で錯乱してかぼちゃを脱ぎ捨て斧を置き、その場から逃げ出してしまう
妻はランタンを持ち後を追う
バルコニーで妻は夫を見つけるが、彼女が近づいた瞬間夫は狂ったように彼女と揉み合いになり、バルコニーから転落する
慌てて下に降りた妻は言う
「貴方本当は私を殺す気なんてないんじゃないの」
そうして泣きながら妻は斧を片手に首を切る
しかし、夫は生きていた
脳に障害を抱えながら
夫は妻が死んだことを理解することが出来ず、ただ眠っているだけだと思った
だから、隣で目覚めるのを待っていた
やってきた少年に紙とペンを求める男
震え、思い出せず書けない文字を彼に問いながら妻のことについて記すのだ
痛みは慣れ 甘い血を
誰かのことを言うならば




