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編光炉  作者: Nox
139/152

香る柑橘

250207

あなたはいつだって気高く美しく笑っていた。

黒曜の魔女、派手なオレンジと共に。


ガスランタン、廃工場。有限な大地は肥沃を満たすことがなく。常灰色に染っている。

真っ赤な看板のそれは二階建て。鉄パイプと蛇腹のアルミ。モードな赤は鮮烈に。


「なんだい。何か用かい」


オレンジの髪を浪漫に刈って、その方は私の背を押した。

中には薄布、重ねの曰く。駆り立てる黒、黄泉の空蝉。私の心は明け染り。


「なんだい。面白い子だねえ」


窓枠の向こうに映す辺境は、どこか煙と雨の中。


「早く逃げて下さい!ここにいてはあなたまで」

「煩い小娘だ。あたしゃここを動かないよ」


かつての幻想は無く、水に沈む台地を見ていた。

私は、あの頃に落ちて消えていく。

鋏の音がする。

嗚呼、ここにいらっしゃった。


「一体全体何のようだね」


「なんでもないんですよ」

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