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編光炉  作者: Nox
135/152

ツクール1.07

241230

お化け屋敷の話を聞こうか。

目の前には黒革の手帖。

とある少女の体験記。


古びた屋敷だった。旅館にも見えるし、美術館にも見えるし。

本館一棟、別館はその隣。

なんで入ったんだろう。


ごちゃごちゃとしていて落ち着かなかった。

それぞれに意思がある気がして。

絵画には絵画の、カレンダーにはカレンダーの。

それぞれに何かがあったんだ。


沢山のマネキンがあった。整えられた警備員のような。

おはじき、そろばん、おてだま、あやとり。

幼い子が楽しむように。植物は見守っていた。


地下のプールには主が潜んでいる。


グランドピアノののある部屋はカレンダーを用いた壁パズル。

目の配置の狂った少女の楽しみな場所。


奥の部屋では魔物が眠る。

嗚呼、折角立て直していたのに。


パズルは崩されて、少女の身体も崩された。

マネキンの配置はバラバラに。館長の男は恨めしげに白い顔を晒して。

絵画は全部黒くなった。女はそれを黙って見ていた。

料理長は何処にもいなかった。


逃げなければ。


古き良き魔物。古き良き遊び。

その全てが襲いかかる。それでも壊したくはなかった。

一匹のネズミが叫んだ。この手を取れと。


私はガラスのお猪口を抱いて、駅のホームに飛び込んだんだ。

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