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編光炉  作者: Nox
115/152

熱病

240510

息を潜めて。崩れ掛けの社と、下卑た笑い。


「重箱法師が出たぞォ」


黒い巨体。分厚い皮膚。赤子のように地を這い。

袈裟を着て、ずりずりと。

私達を。

私だけじゃなくなってしまった。


「静かに。声は出さないで」


私と貴方、猫の親子と。

まだいる、まだいる。


「火の家系の家族は多方人喰いになってしまった」


「あれは味方では無い」


嗚呼、目を見開いた法師が手を伸ばしている。

狭い入口から一生懸命に。

早く、破られる前に。

早く、早く。


「ンァ、カズォだよォ。父さんをナ、父さんをナ、」


「喰っちまったンだァ、」


可愛らしかったはずの子供が泣いている。

息を飲む彼の手を引いている。


「振り向いて欲しい人には振り向いて貰えないのね」


「どうでもいい人ばかりで」


彼女の嘆きが聞こえる。

どうしてこんなことになったのだろう。


どうして、

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