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編光炉  作者: Nox
110/152

信じたくなかった。

240428

悪夢を見たんだ。

誰かが仮初になって、ずっと笑顔で。

私はそれを殺していく。

仮初は消さねばならない。

仮初は実物に成り得ない。

あのね、とある夏の緩い日に。

脂の多い肉を叩いて、良い肉と混ぜた。

私はそれでハンバーグ。

白い馬と騎手が部屋に来る。

それを食われぬ様にと冷蔵庫へと戻したから。

あのね。


気を付けろよ。


何の話だろう。

風の通る窓をふと見ると、祖母が育ててた花々はしょんぼりと水を待っていた。

あ、いけね。あげてないね。

わたわたと祖母の部屋でジョウロを探す。


あんまり水が入らないなあ。


何度も、何度も。

こっち側はご近所さんがやってたのかな。

ゴム、君子蘭、ミニバラ、アロエ。

角には小さなサボテンが並ぶ。

バラ、バラ、祖母、……祖母?


なんでいるの?


起きて、起きて。

いるなら花に水をやれば良かったのに。


いいのよ。枯らすの。


なんでそんな事言うの。


嗚呼、信じたくないくらい素敵な笑顔。

そんな笑顔で死を歌わないで。

そんな笑顔は仮初の証よね。

じゃあなんで、


なんで、悲しい顔も出来るの。

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