魔界
俺は、階段を下りて研究室に入った。魔法陣を見たとたんに意識が飛んだ。
「おい!小僧、大丈夫か?」
男性の声が聞こえる。目を覚ますと。俺は唖然とした。空は赤く。月だけが青く美しい。声をのなる方向を見ると、角の生えた男がいた。
「悪魔!!」
俺は叫んだ。男性は驚いて、笑った。
「まだ、誤解は解かれていないようだな。」
男性は俺を抱き上げ。建物に連れていかれた。中は綺麗でまるで、マンションの一室だった。
「ここは、俺の家だ」
男性は笑いながら言った。内心俺は怯えていたが、冷静に考えると優しい人に見える。
「俺を悪魔だと、言ったな?」
「....」
「間違ってる。正確には魔族だ。」
「え」
「魔界は魔族の世界ってことだ。」
「でも、悪魔は何?お前たちが悪魔なんだろ?」
男性は困った表情をしていた。まるで、教師が生徒に勉強を教えても、分かっていなく困ってる表情だ。
「それは、誤解だ。魔界は魔力が高い魔気が流れている、お前たちがいる、世界と違う所なんだ。」
「故に魔族しか生きられない、所なんだ。」
「そうなのですか?」
男性はうれしそうな顔でうなずいた。
「でも、僕は人間なのに入れているんですか?」
「魔力が高い人は入れるんだ。」
「お前もその一人って事よ」
なるほど、俺は魔力が皆より、高いってことになるんだな。ありがとう神よ。
「俺の名はビーロフだ、お前の名前は何だ?」
「僕の名前はラリーです。」
男はニッと笑って。頭を撫でた。
「お前は何処から来たんだ?」
「ラウス王国です。」
「人界か、お前、何故ここに来た?」
「親が倒れてるんです。それ出来ました」
男はしかめた顔で言った。
「多分それ俺のせい」
「マジでごめん」
俺はビーロフに殴り掛かった。ビーロフは顔が腫れたがすぐに治った。
「人界と魔界に裂け目ができちまって。それで、強い、魔気が流れ込んだんだ。」
ビーロフはすまなさそうに言った。
「今なおしてるから、待っててくれ」
「どのくらいかかるのですか?」
「約150年だ。」
150年?俺もう死んでるじゃん。てか、こいつ何歳なんだよ。こんなに、待てるわけねえじゃん。
「何を言ってるんですか?」
「150年、かかるの」
「知ってます。僕、人間なんですよ?」
「知ってる」
「150年も待てないですよ?」
「別にお前、150年もたっても、死なないし、老けないぞ?」
ビーロフは笑いながら言うと、時計を二つ持ってきた。
「これが人界の時計で、これが魔界の時計だ。」
ビローフは指を指して説明をした。
「こっちの世界で1年はあっちでは1分だ」
なるほど、この世界は時間の流れが非常に速いんだな。その間は何をしよう。
「あのー僕は戻った方がいいでしょうか?」
「あー治るまで待ってくれ。そうしないと裂け目がひどくなるからな」
「分かりました....どこに住めばいいでしょうかね?」
「え?ここじゃないのか?別に構わんぞ?」
「ありがとうございます!」
こうして俺は、ビーロフと暮らすことになった。