ここは?
気が付くと暖かく心地の良い空間にいた。目の前が真っ暗で水中に居るようだ。心地の良い事というのは長く続かないものだ。俺は生まれた。今、この世界に誕生したのだ。体に抱かれてるような感覚が伝わってきてる。耳に男性の声が聞こえた。
「マリア様、元気な男の子ですよ」
男性は優しい声で誰かに話しかけていた。目は見えないが声は聞こえる。その直後、暖かいが少し硬めのタオルらしきものに体が包まれた。
「この子は大事に育ててあげますからね」
女性は息を荒げながら、優しく囁いてきた。多分、この人が俺の母親だろう。多分いい人そうだ、前世の母親もこういう気持ちだったかな、もし、あの戦争が無かったら、今でも、母親と幸せに暮らしていたのだろな、だが、あの老人は前にいや、遠い昔に会ったことがあるかもしれない。今考えても無駄だ。今後について考えよう。まず、考えることはここは何処かってことだ。想像できるってことは、俺は生まれ変わったって事だ。先に目が見えるまで待とう。
俺はこうして、2、3週間たち、目が見えるようになった。見渡すとそこには、大理石の様なもので、出来た部屋の中にいた。横にはメイドと女性が座っていた。二人は友達のようで、仲良く喋っている。
「私もそろそろ、殿方を探さなければ行けませんね。」
「ソフィアは勝手に群がってくると思うけど、まだ早いよ」
二人とも、笑いながら話している。メイドの方は顔立ちが良く、髪もサラサラで色は珍しく、赤髪だ。女性の方いや母親の方は、中世の貴族の格好をしていた。しかし、腹が減った。そう思った瞬間、泣き出した。感情がコントロール出来ないようだった。
「あーよしよし、お腹がすいたのね」
彼女はそう言うと、胸を出した。俺は慣れた手付きでで彼女の胸を吸った。興奮しないのかって?お前は自分の母親を見て、興奮するか?しないだろ?俺もそうだ。もし、他人だったら、襲ってるな。こうして
腹が満たされた俺は眠りについた。
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翌日、俺は父親の顔を見ることになった。彼の顔はイケメンじゃあないか。俺には負けるがな!!
そう言っても自分の顔も知らないけどな。彼は俺に、冷たい視線を送っている。俺の事はあまり気に入らないようだ。
「あら、あなた?そんな怖い顔してどうしたの?」
「別に、ただ見てるだけだが。」
父の顔はやはり、俺を睨んでくる。普通の赤ん坊なら泣いていたのだが。相手が俺でよかったな。しかし、彼もまた見たことのある顔だった。母親もそうだ。死んだ両親にかなり似ている。あの、老人もそうだ。祖父に限りなく、似ている。もしかしたら。家ぞk。その瞬間、大地が揺れた。
「おい!!なんだ!?早く、その子を抱いて逃げるぞ!!」
屋敷が揺れる中、父は叫んだ。これが地震か、学校の教科書に載っていた。アメリカには無かったが。
母親が倒れていた。どうやら、タンスの上に置いてあった花瓶が頭に当たったようだ。頭から血が出ている。父は俺をメイドに抱かせて、母を背負って逃げた。屋敷から、命からがら逃げだした。父は芝生の上に母を寝かせ、何かを唱えている。
「神よ、光よ、聖霊よ今、彼女を癒し、傷を治し、癒したまえ!ヒール」
すると母が、光りだした。たちまち、傷が治ってきてる。俺はこの時、生まれて初めて、魔法を見た。