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小説家になろう  作者: 総督琉
一人目の主人公
5/94

第5話 昔のこと。

 僕は気付いたら、どこかの図書館の中で本を読んで座っていた。

「ここはどこ?」と思いつつ、僕は椅子に座ったまま、静かに回りを眺めていた。

 すると「隣、良いですか?」と小学2年生くらいの子が聞いてきた。

 真っ赤な髪に、整った顔立ち。少し大人びているその表情。

 僕はその子ために椅子を机から引こうとした時、気付いた。


 (手、短くね!)


 明らかに子供の大きさだった。考えた結果、答えを見つける。


 (夢か!)


 僕はここが夢の中だと確信したが、その子を椅子に座らせ、少しの間だけ話した。


「君、名前は?」


明日葉(あすは) 紅華(こうか)


 僕はその名前をどこかで聞いたことがある気がした。それに顔もどこかで見たことあるような……。

 そのもやもや感を抱きながら、僕は明日葉に本をもらった。


「あんた。図書館で本を読まないっておかしいよ」


 明日葉は優しく、図書館で本を読んでいない僕に本をくれた。この本は借りた物では無く、明日葉が誕生日に貰った物のようだ。


「明日葉。本当に貰っていいの?」


「うん。その本は何度も読んだから」


 明るく言ってくれたので、僕はその本を貰うことにした。それに夢の中だし。明日葉から貰った本は、白一色。文字は何も書いていない。

 僕が本を開いた瞬間、本から真っ白な光が放たれる。つい、眩しくて目を手で塞ぐ。


「おい。朝比奈。起きろ」


 その声で、僕は夢の中から目を覚ました。

 起きると、僕の座っていた席の真横に、香月さんが……と思ったら、香月さんは僕の後ろを凝視している。香月さんだけでなく、クラス全員だ。

「何かな?」と後ろを見ると、社会の担任の先生が後ろに立って、僕の頭をチョップする。


 僕は頭を抑え、再び授業に取り組むが、さっきの夢が気になって授業に集中できない。


 授業が終わると、香月さんは僕に話し掛けてきた。


「朝比奈くん。やっぱ絵本創り大変だった?」


「いいや。そんなことじゃないんだよ」


 僕は香月さんに心配かけまいと、上手く誤魔化した。


 僕は家に帰ってから、夢の中で見たあの本を探す。僕は自分の部屋の本棚の本を全て取り出し、本の奥に埋まっていた真っ白の本を見つけた。

 頑丈にできた表紙に守られたその本は、やはり夢の中で見た本と同じだ。


 僕は恐る恐る本を開く。

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