7話.「」
庭に出て母が魔法を使うのを見ているといきなりナイフを取り出して自分の腕を少し傷つけた。
「何をしてるんですか!?」
「黙って見てなさい」
目を見開いて驚いていると母が『リカバリー』と唱え光が傷に集まると傷が消えていた。
これは3歳くらいのとき怪我をした際に唱えてくれた魔法だ。
「こうやって傷をつけて治すのが一番早く覚えられるのよ」
「他に方法はないんですか?」
回復魔法の練習は自分を傷つけて練習しなければいけないのか聞いてみたら
「私はこれで練習したからこれしか知らないわよ」
他にもあるけど他人の傷を治しても傷が治っているか良く分からないのでコツを掴むのが難しいそうだ。
「ほら、シュンもやってみなさい」
「分かりました...」
「まず、傷ついた場所に魔力を集めるように意識し、『リカバリー』と唱えなさい。そして光が傷に集まりだしたら治るようイメージするのよそうすれば治るはずよ治らなかったら魔力の集め方がダメなのかイメージが足りないかのどちらかね」
母にナイフを渡されやりたくない気持ちもあるが魔法を使いたい思いの方があるので恐る恐る傷つけた。
「いてぇ」
加減が分からず少し傷つけすぎてしまった。
「早く治さないと...」
えっと、傷ついた場所に魔力を集めてそれから治るようにイメージそして
『リカバリー!』
すると傷つけた場所が光が消えたときにはなくなっていた。
「治った...」
母の方を見ると驚いた顔をしていた。
「シュン凄いわ一回で成功するなんて!」
母が言うには普通一回で成功することはないとのこと。
最初は魔力を集めることが難しいらしく集めたとしても『リカバリー』と唱えると散ってしまうらしい。
その後何回か同じ事をやっていたら体がだるくなってきた。
魔力が減ってきたようだ。
僕は他の人より魔力があるらしいさっき母が言っていた。
魔力は成長とともに増えていくものだと考えられているそうだ。
毎日使っていれば増えてもいくそうだが個人差があるとかないとかまだ分かってないらしい。
今日はこれで終わりにし、他の魔法は明日にお預けだ。
明日も楽しみだ。